鉄道模型をお座敷レイアウトで楽しんでいて、いつかは自分も鉄道模型ジオラマ(レイアウト)で走らせたいと思っている方も結構いらっしゃると思います。
しかし、実際には色々な壁があります。
・設置場所がない。
・費用の問題。
・製作時間がない等です。
確かにフル編成の車両が走り回るジオラマ(レイアウト)は設置場所も必要だし、費用も製作時間も掛かります。
そこで今回は、設置場所もとらず、お金も掛からず、時間もそれ程掛からないミニジオラマを作ってみたいと思います。
自宅で鉄道風景が楽しめる日常をはじめよう!
よく模型店やYouTubeなどで細部までこだわった大きなエンドレスのレイアウトを見かけます。
自分もいつかは・・・
想像だけで終わっていませんか?
作る手間や細部までのこだわり、考えるといつまでも実行できません。
そこで思い切って完成品を購入してみるのも1つの手です。
Nゲージジオラマ簡単な始め方
いざ作るにも、どのように始めれば良いのかわからない。
上手く作れるか不安などで、なかなか手を付けられない。
そんな方は最初から作るのではなく、次の3つ方法などで始めてみるのも良いかと思います。
1 ジオラマ製作の雑誌を定期購読する。
2 レイアウトベースキットを利用する。
3 完成品のジオラマを購入する。
一つずつ紹介していきます。
ジオラマ制作の雑誌を定期購読する
写真は以前購入した週刊鉄道模型少年時代です。
毎週各号が送られて来て全75巻、完成まで約1年半かかりました、値段はおよそ12万円。
正直値段もそこそこで時間も結構かかりますが、材料もそろっているし作るだけなので初心者でも作れます。
残念ながら現在販売されていません。

レイアウトベースキットを利用する
発泡スチロールで山や川などの地形を一体成形した製品でサイズは700×920×200mm、週刊鉄道模型少年時代よりひとまわり大きくなっています。
レール・建物・木などのアクセサリーは別売りで自分で用意する必要がありますが、自分好みのレイアウトを作ることが出来ます。

完成品のジオラマを購入する
楽天市場でなどでよく見かけますが、コレクターズショップサザンで製作販売しています。
種類、サイズもいろいろ900×300、1200×600、1500×600他にも多数あります。
かなり良く出来いますが、結構大きいです。
大きさと値段が手ごろな展示用ジオラマもあります。
レイアウトは小さくても600×450mmくらいはあるので、レイアウトが欲しいのはやまやまだけど大きさ的に置く場所がない、という方もいらっしゃると思います。
そんな方には小スペースでも楽しめる展示用ジオラマがおすすめです。たとえば、押し入れの奥や棚で眠っているお気に入りの車両。
長編成は無理だけど1、2両を展示して部屋のインテリアとしてリビングの片隅や机の上などの限られたスペースにおすすめな大きさと値段が手ごろな展示用ジオラマです。
ジオラマに挑戦してみよう。
せっかくなのでジオラマ作りに挑戦してみましょう。
今回はなるべくお金を掛けず、材料はダイソーなどの100円均一(略して100均)などで購入します。
①プランニング
まず大体のイメージを下書きします。
今回は畑の中を走る所をイメージして、コレクションボックスに制作するのでイメージをメモしました。
ちゃんとしたレイアウトを制作する時はテンプレートを使った方が良いですね。

②ボードや材料を用意する
ベースは100均で買ってくる。
100均はジオラマやレイアウトの素材になるものが沢山あります。
今回は展示台なので埃から守りたいのでコレクションボックスに、ジオラマの土台にはコルクボードを使用しました。



前に作成した少年時代を約5年ぶりにクローゼットから出してみました。
引越しでの移動もあり埃や破損がひどく(特に樹木、電柱)クローゼットにビニール袋に入れてしまっていたので電柱や樹木は折れ人形は散らばり、悲惨な状態になっていました。
オプションでケースを売っていたのですがお金をケチってしまい後悔しています。


③建物などの配置の検討
ボードや建物などの材料が用意できたら、ボード上にプランに従ってレールとアイテムを仮配置してみます。
次にマジックなどでボード上に輪郭を書き写します。
④レール仮設
レールはTOMIXの旧製品を使用
今回はローカル線をイメージして製作するのでTOMIXの旧製品である茶色の道床つきレールを使用します。
両側に茶色のバラストを撒いて、レールの間にも少し撒くだけで、ローカル線ぽくなります。
長さは280(車両2両分の長さ)を使っています。今でも模型店などの中古コーナーで50円くらいで買えると思います。


レールを塗装する
鉄製のレールはすぐに錆びます。これはローカル線に限ったことではありません。
レール上面は常に車両の車輪と触れているため輝いていますが、車輪と触れない横面は茶色に錆びているのです。
エアブラシなどで塗装する方法もありますが、今回はジオラマ用に1本だけなので筆塗りで行います。
使用する塗料は「Mr.COLOR 131 赤褐色」で、レールのサビ表現にオススメです。

細い筆で、左右2本のレールの両面、合計4面を塗ればできあがり。この時、レール上面に塗料が付いてもあとで落としますので大丈夫です。
また、枕木に塗料が付いてしまっても気にせず、豪快に塗ってしまいましょう。
なお、塗料はビンに直接筆をいれずに、塗料皿などに少量ずつ出して使うと、瓶の中の塗料が汚れずにすみます。
レール上面の塗料を落とし、普段車両が走っているようにします。


⑤レールの固定
レールをベースに固定する。
塗装したレールが乾いたら、ベースに固定します。
レールを木工用ボンドで固定します。乾くまでは本などを重しにしておくと良いでしょう。
木工用ボンドは速乾で乾燥が速いものの、30分程度は放置しておきます。
⑥情景の作り込み
建物などを配置し、街や地面などの情景作りをしていきます。
畑の設置
今回のメイン?になる畑を設置していきます。
畑の作り方。
段ボールを使います。
段ボールを水で濡らして1枚はがします。
はがした内側の凸凹を畑のウネとして使います。

両端の穴を木工用ボンドを塗って押しつぶして穴を塞ぎます。


畑を絵の具で着色します。
今回は水彩絵具を使いましたが、この後の作業を考えるとアクリル絵の具の方が良いです。


畑にボンド水を塗ってカラーパウダーを撒きますが、ボンド水を塗る時に着色した絵の具が落ちてしまいました。
ボンド水とは木工用ボンドと水を1:1で割り、そこに中性洗剤を数滴垂らした物です。
ボンド水を作る時、水が多すぎると固まりにくくなります。

こんな感じで畑を作ります。
畑の仕上げは後ほど。
大まかな地面の凹凸を
今回はこの2種類で地面を表現します。
まずはタミヤから発売されている情景テクスチャーペイント。
情景作品のベースとなる、土の表現に最適です。
セラミック粒子を配合したペースト状の水性塗料で、厚く盛りつけたり、乾燥前なら表面に凸凹をつけることもできます。乾燥時間は4~5時間です。


100均で購入した木かるねんど。
普通の紙ねんどと同じですが、乾燥すると非常に軽いです。


下地の色を塗る
この後カラーパウダーを撒きますので雑でもかまいません。
これも畑と同じで今回、水彩絵の具を使いましたがこの後の作業を考えるとアクリル絵の具が良いです。
ボンド水を塗る時に着色した絵の具が落ちてしまいました。

線路にバラストを撒く
バラストもTOMIXやKATOなどから茶色やグレーが発売されてますが今回はTOMIXの茶色のバラストを使用します。

バラストを撒いたら、筆などを使って整えます。

ボンド水とは木工用ボンドと水を1:1で割り、そこに中性洗剤を数滴垂らした物です。
ボンド水を作る時、水が多すぎると固まりにくくなります。
ボンド水だけを垂らすと、バラストがダマになります。

右側が霧吹きでバラストを湿らせてからボンド水を垂らした物、ボンド水がバラストに浸透してダマになりません。

霧吹きでバラストを湿らせてからボンド水を垂らします。

霧吹きでバラストを湿らせてからボンド水を垂らします。(こうするとバラストがダマになりません。)
カラーパウダーを撒く
地面に少し濃いめのボンド水を塗ります。そこに好みの色のカラーパウダーを撒きます。
その時、茶こしなどを使うと綺麗に出来ます。
今回は作業に夢中になり写真を撮り忘れましたので、カラーパウダーを撒くところだけ別に撮影しました。


乾燥したら、上からボンド水を垂らします。
畑の仕上げ
うねの上に木工用ボンドを爪楊枝などで塗ります。

フォーリッジを一つまみずつ貼って行きます。
フォーリッジとは細かいスポンジに着色をしたレイアウト素材で線路脇や道路脇にある植込み、樹木などの表現に使われます。


畑の完成です。
木工用ボンドが白く残っている所がありますが、乾くと透明になり目立たなくなります。

ターフで草地を作る
カラーパウダーと同じように地面にボンド水を塗ります。そこに好みの色のターフを撒きます。
ターフとはスポンジを細かい粒状にした物で、草地や地面表現するのに使います。



乾いたらターフの上からボンド水を浸み込ませます。

フォーリッジで小さい樹木を作る
小さくちぎったフォーリッジを木工用ボンドに直接載せていきます。


樹木を植える
好きな樹木を植えます。今回は桜の木を植えることにします。

桜の木に直接木工用ボンドを塗ります。

このままだと地面と桜の木の境目が不自然なので、カラーパウダーを撒いて境目をぼかします。



境目をぼかすとこんな感じです。


架線柱、人形の設置
電気機関車を展示したかったのに、架線柱を設置するのをすっかり忘れていました。
架線柱を設置しましたが何か足りないことに気づき畑に人形を置き、車もあったので一緒に置いてみたら何となくいい感じになりました。



今回はこれで完成です。


道具紹介
今回使った道具を紹介します。
筆、スチール定規、カッターナイフ、デザインナイフ、ハサミ、ピンセット、ニッパー、ピンバイス、ヤスリ。

両面テープ、マスキングテープ、綿棒、爪楊枝、マジック、茶こし、スプーン、バターナイフ。

塗料、情景テクスチャーペイント、万年皿、スポイト、木かるねんど、ボンド水。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
初心者にも分かりやすい様に作成しましたが
伝わりましたでしょうか?
不慣れな点もあり伝わり切れなかったらどうしようという不安もありますが
次回からも皆さんに是非作って貰えるように
頑張ってUPして行きたいと思いますので
宜しくお願いします。
最後に今回かかった金額を参考までに載せておきます。
100均 | 価格(税込み) | 模型店等 | 価格(税込み) |
コレクションケース | 440円 | バラスト | 468円 |
コルクボード | 110円 | カラーパウダー×4種 | 2180円 |
筆 | 110円 | フォーリッジ×3種 | 1161円 |
木工用ボンド | 110円 | ターフ×2種 | 1056円 |
絵具(茶) | 110円 | 塗料×5種 | 865円 |
絵具(黒) | 110円 | 踏切 | 1056円 |
木かるねんど | 110円 | 樹木(桜3本入り) | 767円 |
スプーン | 110円 | 人形(12体入り) | 686円 |
バターナイフ | 110円 | 情景テクスチャペイント | 880円 |
茶こし | 110円 | ||
マジック | 110円 | ||
両面テープ | 110円 | 合計 | 10769円 |
その他、車や架線柱など元々家にあった物は載せていません。
ちょっと割高な感じもしますが、毎回買うものはコレクションケースくらいでしょうか、後は初期投資という事で。